ブリ一貫10円!?代々木駅前の激安寿司屋に行ってきた
「この写真見てくださいよ。これ、一貫10円ですよ。」と同僚から見せられた寿司の写真。
…って、10円かよ! うまい棒かよ!
なんでも代々木駅前に激安寿司屋があり、超特価10円でブリを注文できるとのこと。ブリが一貫10円…
これはすぐにでも潜入調査に行かねばと思い立ち、その日のうちに後輩を誘い、10円ブリの待つ代々木まで繰り出したのであった。
本当にブリが一貫10円なのか
場所は代々木駅西口のすぐ近く。西口改札を背にして右に曲がり、松屋を通り過ぎると、早速 天然ぶり 10円 という文字が飛び込んできた。
『本当に10円なのか?』という疑問は、すぐに吹っ飛んだ。
店に着いたのは19時過ぎ。まだ時間が早かったのか、店内には3人しか客がいなかった。店内には二人掛けのテーブルが2つだけある。片方のテーブルが空いていたので、後輩とそこに座る。
「どういうシステムなんだ、ここは?」と迷っていると、隣のテーブルに座っていた方が、「飲み物は注文するとテーブルまで持って来てくれますよ。お寿司は取りに行くみたいです。」と教えてくれた。
【本日の超特価品】という巧妙なフェイク
本日の超特価品 ぶり 一貫 10円
この表示を見ると、特価品は日替わりで入れ替わり、今日はたまたまブリが安いのかと思ってしまうが、「本日の超特価 = ブリ10円」である。常にブリが10円らしい。
でも、店内の価格表示にはブリは通常200円と書かれていた。果たして200円のときがあるのだろうか。
”本日の超特価品は、ドリンク御注文のお客様に限ります”ということでとりあえずビールを注文。そして、恐る恐る「ブリを10貫お願いします。」と頼んでみる。すると店主が「はい。」と普通に返事をして握り始めた。
ビールで乾杯をしてブリを待つ。そして待つこと5分ほどでブリ10貫が到着。後輩の10貫も合わせて20貫のブリ。ブリブリブリ。
『でも10円って、これ本当にブリなのか?』という疑心暗鬼に陥りそうになるが、見た目は至ってブリ。気になるお味は…… 普通にブリ。うまい。
これが一貫10円とは恐れ入る。
女性客や外国人客も多く、回転は早い
外「アジハドウデスカ?」
た「(親指を立てながら)Good! Good!」
外「ソウデスヨネ、オイシイデスヨネ!」
た「めちゃくちゃ日本語上手じゃん!」
客層は会社帰りのサラリーマンが多いが、女性客もいるし、外国人の姿もある。カップルらしき男女ペアも2組いたし、ほんと客層は様々。
そして回転が早い。一人客の場合は、ビール+ブリ10貫をさらっと食べて帰るというスタイルも見受けられる。それで580円で済むというコスパの良さ。この安さなら隣で牛丼を食べるより遥かにいいと思う。
トイレは隣のゲーセン(SEGA)を使う
※注意 : お食事中の方は、この段落は読み飛ばしてください
この店、トイレは無い。狭くて、そんなスペースはないのだ。
「あの、お手洗いはどこでしょう?」と聞いたところ、「隣のゲームセンターのトイレを借りてください。」と店員。
マジかよと思いつつも、しょうがなく隣のSEGAへ入る。SEGAのゲーセンの男子トイレといえば、知る人ぞ知る”おしっこゲーム”(尿の勢いを競うゲーム)が設置されている。
いい点数を取ろうとすると、トイレを汚さない位置におしっこを飛ばさないとならない。放尿をゲームにしようと思い付いた奴、天才だな。
『損して得とれ』 10円寿司から学ぶべき商売の基本
10円のブリと飲み物だけ頼んで終了、が一番賢いのかもしれないが、実際ブリだけをひたすら食べるのも飽きてくるし、他のネタも比較的安いので結局色々と注文してしまう。そして、お酒もおかわりしてしまう。
結果から言うと、自分と後輩の2人で4,000円くらいのお会計だった。客単価2,000円。
それでも十分安いのだが、ブリ一貫10円という衝撃の広告で客を釣り、最終的にはそれなりの客単価にする。そして、それだけでは終わらない。
「ブリ一貫10円」という言葉には力がある。最強の話の種として、口コミでどんどん広がっていく。『損して得とれ』を実践しているこの店から、改めて商売の基本を学んだ気がする。
まとめ
寿司(ブリ)好きなら、一度は行ってみたい。ブリ一貫10円のインパクトはあまりにも強いので、必ず話のネタになる。
あと、店名が気になると思うが、店の名前は無いらしい。なんてこったい。